複天一流:どんな手を使ってでも問題解決を図るブログ

宮本武蔵の五輪書の教えに従い、どんな手を使ってでも問題解決を図るブログです(特に、科学、数学、工学の問題についてですが)

共通テスト2024(数学):星型の図形 part 6

前回のあらすじ

共通テスト2014の数学の幾何学の問題(数A、数I)で、今年は星型の図形を分析する問題が出た。問題を解く前に、シミュレーターをsvg+javascriptで作ってみようと思い、プログラミングを始めた。問題の一般性を失わせずに、点A,C,P,Qをy軸に置く配置を決めたあと、自由度が2つ残る点Dをどう置くか検討し、「点Aからの距離」および「y軸からの角度」の2つの自由度を表現するプログラミングまで完成した。また、問(1)を解くために必要な点T,S,Rの設置を行い、Dの変化とともに三角形が変形できるようにし、問(1)に関連する部分が完成した。

完成したシミュレーターを利用しつつ、ようやく高校数学に取り組んだ我々は、デカルトの方法を用いて(1)の最初と二つ目の穴埋め問題を解くことができた。(デカルトを強調したのは、我々はユークリッドのアプローチはとらない、という強い決意の表明である)。

メネラウスの定理

前回のブログで解いた問題は、「正統的な方法」ではメネラウスの定理を使って解く問題だったようである。

この定理は誰が証明したかも不明確だというが、紀元前にはすでに知られていたようで、天動説の完全版「アルマゲスト」を構築したプトレマイオスが、まさにそのアルマゲストの中で多用していたようである!個人的には「この定理の実用的な応用としては、ほぼアルマゲストへの応用事例に限られるのではないか?」という疑念がある(が、それを書いてしまうと「高校数学は現代社会に必要な知識や教養を教えている」と主張する文科省に楯突くことになるので、そこは抑えておくことにして)が、とにかく、現代の高校生が(天動説で大活躍した)ユークリッド幾何学の定理の習熟に日夜励んでいるという事実に驚愕したのである。私はデカルト派なので、こういう問題に対する先入観や偏見が強すぎるかもしれないから多くの人には聞き流してもらってもかまわない。しかし、今年の共通試験に怒りを感じた諸君に対しては、「そうだよ、その怒りはまっとうなものだよ」という同情があることもぜひ知ってもらいたいのである。

とはいえ、ユークリッド幾何学の定理は本当に美しい!と思う。この点は認めざるを得ない。デカルトの手法でやってみたが、結果は汚くてお見せできるような定理にはまとまりそうもなかった(とかいいながら、あとでその概略だけは紹介したいと思う)。だからといって、古典の技法に習熟する必要はあるのだろうか?モナリザは美しいが、その細部の技法を完全にマスターすべく高校生が日夜モナリザの模写の練習に長時間をかけていいものだろうか?ルネサンスの基礎は大事であるが、ある程度その素晴らしさを味わったらじゅうぶんではなかろうか?あえてその技法に習熟する必要は(模写の職人以外は)いらないのではないだろうか?

点B, Eを打って星型を完成させる

最後に残った点BとEをsvgに加えて図形を完成させよう。ここまでくると、この2点は自由に選べないのがわかる。というのもの、直線PTと直線CSの交点がEであり、同様に直線PTと直線QDを表す2つの連立方程式の解が点Bだからである。PとQはy軸上に与えられた定点P(0,3)とQ(0,0)であり、点Sと点Tは極座標$S\text{c},\theta$を用いて表すことができることはすでに計算して確認済みである。すなわち \begin{equation} S: \left(\frac{2}{5}S\text{c}\sin\theta, 5-\frac{2}{5}S\text{c}\cos\theta\right) \end{equation} \begin{equation} T: \left(\frac{1}{5}S\text{c}\sin\theta, 5-\frac{1}{5}S\text{c}\cos\theta\right) \end{equation} であった。これらの情報を用いれば、直線PT, CS, QDの方程式を得ることは簡単である。2点$(x_1, y_1)$, $(x_2,y_2)$を通過する直線の方程式は、一般に \begin{equation} y - y_1 = \frac{y_2-y_1}{x_2-x_1}\left(x-x_1\right) \end{equation} などといった(デカルト方式風の)公式によって与えられるからである。方程式を求め、その連立方程式を解けば、点BとEの座標が手に入る。それは次のようになることが確認できる。 \begin{equation} B: \left(-\frac{3}{5}S\text{c}\sin\theta, -3+\frac{3}{5}S\text{c}\cos\theta\right) \end{equation} \begin{equation} E: \left(\frac{3}{5}S\text{c}\sin\theta, 9-\frac{3}{5}S\text{c}\cos\theta\right) \end{equation} この結果をsvgに組み込めば、星型図形は完成である!

実際にやってみると次のようになり、このテーマ(シミュレーターの作成)は完了となった。


Q A P C D T S R B E

S:---
θ:---