複天一流:どんな手を使ってでも問題解決を図るブログ

宮本武蔵の五輪書の教えに従い、どんな手を使ってでも問題解決を図るブログです(特に、科学、数学、工学の問題についてですが)

東大数学2024問題5 (part 5): 立体図形の2D投影

前回のあらすじ 3次元座標の2次元平面への投影 投影図の数学的表現 見る方向の角度をつけてみる。 前回のあらすじ 平面の方程式について復習し、平面が法線ベクトルと切片の情報で特徴づけられることを確認した。 また、法線ベクトルを3次元極座標で表す方法…

東大数学2024問題5 (part 4): 立体図形の2D表示とは?

前回までのあらすじ スクリーンで3次元図形を表示すること 平面の方程式 法線ベクトルを角度によって指定する 「基本平面」の設定 基本平面を4つの頂点で定義する まずはgnuplotで描画 前回までのあらすじ 2024年の東京大学数学入試問題の5番を試験会場で解…

東大数学2024問題5 (part 3):線分BDの役割の分析

前回のあらすじ 三角形ABDがx軸周りに回転するとき、この三角形が通過する3次元領域の体積を求めるのが本問題の最終目的であるが、前回はその練習問題として三角形ABCがx軸周りに回転する場合の領域の体積を求めてみた。これは正解の「上限値」を調べる相当…

東大数学2024問題5 (part 2):断面の形の分析

前回のあらすじ 熱中症に苦しめられてしばらく手がつけられなかった数学問題の研究であるが、熱中症の理解が進み、対処法がわかったことで体調が改善し、再開することができた。 「熱疲労」の残る脳みそなので、今回は「カラータイマー点滅」までになんとか…

東大数学2024問題5 : 立体図形の問題

久しぶりの問題分析 熱中症、夏バテなど言い訳はいろいろあるのだが、とにかく間が空いてしまったことは反省である。地球温暖化のせいだろうか、今年は梅雨の時期になってもなかなか梅雨が始まらず、蒸し暑い日に苦しむ日々が続いていた。 そのうえ、梅雨入…

運動方程式の解空間の「次元」

微分方程式の解が形成するベクトル空間... 量子力学の1次元問題 微分方程式の解が形成するベクトル空間... ...のことを「解空間」というらしい。n階の線形微分方程式の解空間の次元はnであるという定理はよく知られている。 今日の講義(古典力学)で扱った…

東大数学2024問題6 (part 12):数値計算に飽きてきたので解析的分析を少々

前回のあらすじ ケース3の場合 共に偶数の場合 共に奇数の場合 前回のあらすじ ここしばらく数値計算ばかりやってきたので少々飽きてきた感じがある。そこで受験のときにやるような解析的な分析を久しぶりに少々やってみることにする。 今回もケース3、ケー…

東大数学2024問題6 (part 11):細かい場合分の作業に突入....

前回のあらすじ (a)の場合とは? ケース1の場合 ケース2の場合 ケース1とケース2が同時に成立すること (c)の場合 紫色の領域 黄色の領域 前回のあらすじ $g(x) = xk(x), k(x)=x^2+ax+b$が与えられており、$x\rightarrow n\in\mathbb{Z}$の場合に($\mathbb{Z}…

東大数学2024問題6 (part 10):ケース3とケース4が同時に成立して4つの整数解が見つかる場合

前回のあらすじ ケース4の状況 考察すべき、残りの状況 前回のあらすじ 前回は、ケース3.の場合について詳しくみてみた。(a,b)=(-5,7)が候補となったが、$f(2)=2, f(3)=3$だけが題意を満たす場合であることがわかり、4つの素数を見つけるどころか、3つの素…

東大数学2024問題6 (part 9):gnuplotで見つけた格子点の確認

前回のあらすじ 判別式を計算してみる 素数の解は4つあるだろうか? 前回のあらすじ 東大入試問題の数学2024問題6の後半にとりかかった。まずは二次方程式の解が2つとも正となる条件について調べることにした。条件を満たす領域がわかり、数値的にいくつかの…

東大数学2024問題6 (part 8): gnuplotで条件に合致する領域を塗ってみる

前回のあらすじ 後半部分 最初のケース gnuplotの出番 2つの関数グラフに挟み込間れた部分だけを塗る ちょっとだけ数学の問題に戻ってみる 前回のあらすじ しばらく前になるが、問題6の前半部分を解析的、および数値的に解いた。後半部分は、前半部分の応用…

画像処理にチャレンジ(part 4): jpeg(JFIF)のヘッダー情報

次のヘッダーを読み込む(APP0) APP1セグメントはある場合とない場合がある ファイルを開けておけば、次々と読み続けることができる。 ohtani.jpgの場合はちょっと古いver.1.01のJFIFであった コード さらにその先は? 前回はjpegのヘッダー情報を読み込むた…

画像処理にチャレンジ(part 3): jpegのヘッダー情報を読み込む関数をつくる

前回のあらすじ 自作の関数Ver.0 前回のあらすじ 前回はJPEGのヘッダー情報を読み取ってみた。最初の「魔法数」に相当するSOIがff d8であること、つづくff e0がAPP0に相当し、JFIF形式の画像(JPEGの拡張版)となっていることなどが読み込めた。 しかし、1バ…

画像処理にチャレンジ(part 2): jpegのヘッダー情報解読

前回のあらすじ 最初のマジックナンバー JPEGには終わりのマークもある(EOI) ff e0の意味 最初の試みとしてはこんなところであろう おまけ(ファイルの終端) 前回のあらすじ 前回はBMP画像ファイルの読み込みに挑戦し、まずはヘッダーファイルという画像…

彗星観測やっと成功

19世紀の初めに発見された70年周期の楕円軌道の彗星、それが今回北半球の空に浮かんでいるPons-Brooks彗星である。 これまで2回挑戦したが、いずれも彗星の位置を確認することができなかった。最初は雲がかかり、2回目は彗星の位置がわからなかった。 しか…

画像処理にチャレンジ(part 1):彗星観測の失敗と無謀な挑戦

Pons-Brook彗星の観測失敗 画像処理の教科書を納屋から引っ張り出す doomとnanosaursの経験が生きているかも 教科書をまねる BMPファイルを用意する ファイルを読み込むコード ASCII文字コード putc()関数 BMPの最初の2byteのデータを読み込む Pons-Brook彗…

東大数学2024問題6 (part 7): 数値的に問題6を解く

前回のあらすじ コードを分ける 前回のあらすじ 前回までに、素数のデータベースの取り込み、エラトステネスの篩を使った素数生成、両者の比較検証、などが済み、いよいよ問題に直接チャレンジできるところまできた。今回でけりを付ける。 コードを分ける エ…

東大数学2024問題6 (part 6): データベースとの比較

前回のあらすじ The PrimePagesのデータベースとの比較 計算結果 前回のあらすじ エラトステネスの篩のコードが書き終わった。最初の30個の素数(2,3,....,113)は正確に計算することができたが、果たしてたまたまなのか、それともちゃんと機能しているのか、…

東大数学2024問題6 (part 5): エラトステネスの篩のコーディング

前回のあらすじ A code for the Sieve of Eratosthenes Test run 前回のあらすじ ちょっと前のブログ記事の最後に英語を使って「付録」を書いてみたら、海外からのアクセスが来るようになって意外に感じている。東大の入試問題が世界からも注目されているの…

東大数学2024問題6 (part 4): ポインタを使って整数表現を調べる

前回のあらすじ C言語におけるポインタの利用 Fortran95における「ポインタ」の利用 Pythonの場合 前回のあらすじ 素数を生成する「エラトステネスの篩」アルゴリズムに従って、自分でコードを書いてみようと思ったわけだが、どの程度まで大きな整数が数値的…

東大数学2024問題6 (part 3): エラトステネスの篩(ふるい)と数値計算で扱える最大の整数

前回のあらすじ エラトステネスの篩 pythonによる実装 Fortran95で整数の最大値を確かめる デフォルトのinteger :: r, sumの場合 integer*4 の場合 integer*8の場合 integer*16にトライ! pythonではどうなのか? エラトステネスの篩のコードまでいけなかっ…

東大数学2024問題6 (part 2): 素数のデータファイルを読み込む

前回のあらすじ 二次元の配列に似たもの コードを書く 前回のあらすじ 前回の記事では、東大2024数学入試問題6を解き始めた。この問題では素数を扱うため、素数データベースを利用して問題探究を数値的に行うことにした。pythonでデータファイルを読み込む方…

東大数学2024問題6: 素数と因数分解

「今年最難」と噂の問題6へ 問題の概略 複天一流の流儀で解く 素数のデータベース 最初のコード 「今年最難」と噂の問題6へ ネットでの評価をざっと見た感じでは、本年度の東大入試問題においては問題6が「一番難しかった」との評価のようである。問題1もそ…

東大数学2024問題1(part 4): 境界の方程式を数値的に求める

前回のあらすじ 境界曲線の特徴 2次のテイラー展開の数値計算 楕円の方程式とテイラー展開の関係 シミュレーションの結果を心眼でみる まとめ 前回のあらすじ 前回では「スクラッチカードシミュレーション」の結果を分析し、条件を満たす領域の境界を抜き出…

東大数学2024問題1(part 3): 境界を抽出する

前回のあらすじ 境界を抜き出す データの読み込み 動径と角度でグループ化されたデータ構造を利用して境界を抽出する 境界を抽出する 前回のあらすじ 前回の記事では、2つの不等式を満たす$(x,y)$をしミューレションによって数値的に見つけ出し、その結果を…

Rosettaの底力 (part-2): iPhotoも動いた

Catalinaで見捨てられたiPhoto Retroactiveはまだ存在するか? Retroactiveで「M1の岸を渡った」iPhoto Catalinaで見捨てられたiPhoto Mojaveを長らく利用し続けた理由の一つがiPhotoにある(より正確にはiPhoto.app?)。長いこと(Powerbookの頃から)デジタ…

Rosettaの底力: Nanosaurは動いた

Rosettaの限界と底力 Rosettaの限界と底力 先日はcrispy-doomのコンパイルにおいてRosettaの限界を感じたのだが、今回はRosettaの底力を感じたので、それを書いておこう。 試したのは、このあいだ、MojaveでコンパイルしたNanosaurとNanosaur2である。SDL2ラ…

Apple M1-macbook proでcrispy-doomをコンパイルする:Rosettaの限界

intel-macからM1-macへの引っ越しは終了 crispy-doomをM1-macbookでコンパイル M1-chipでARM64コードにコンパイルし直す intel-macからM1-macへの引っ越しは終了 intel-macbook(Mojave)からM1-macbook(Monterey)へ、仕事用のファイルの転送やメールの設定な…

emacsの初期設定

emacsの初期設定 emacsでバックスラッシュを書く方法 atomやpulsarでバックスラッシュを気軽に打ち込みたいのだが markdownのプレビューの問題 emacsのmarkdown-mode まずはinit.elに設定を書く 参考文献 emacsの初期設定 もともとはemacsではなく、pulsar e…

macbook pro (M1 pro chip)に乗り換える

macbook pro (M1 pro chip)が活動開始 CPUのパフォーマンスのベンチマーク 最初のインストールアプリ群 emacsのインストール atomエディタのインストール macbook pro (M1 pro chip)が活動開始 このところのHackintoshプロジェクトにより、いろいろ止まって…