以前の記事で取り上げた"Honda Connectディスプレイ"とそのデータ接続サブスクリプションサービス(Honda Connect)であるが、依然として私はこのサブスクリプションには加入していない。
これまで何不自由なく「カーナビとして最低限の機能」を利用することができていたのだが、最近GoogleかHondaかのどちらかは知らないが、「勝手にシステムを遠隔でアップデート」したようで、そのあおりを受けて、カーナビ機能が全く使えなくなってしまったのだ。
カーナビの画面が真っ黒になったその日は「これは困ったな」と当惑したのであるが、数日経過すると「昔のように頭に地図を入れてから運転するのは、意外に快適かも」と感じ始め、しまいには(壮大な無駄なかもしれない)そのディスプレイに時計を表示させて運転するのが、むしろ気分的に楽になってしまったのである。こういうのを「デジタルデトックス」というのだろうか(笑)。
しかし、家族のメンバーの多くが、「カーナビが映らない車は運転できない!」とか、「F1で醜態を曝すHONDAにはもう我慢できない!Civicは売りっぱらってドイツ車に買い換える!」などと反乱が起きたのである。あるものはホンダ本社に苦情の電話をかけたらしいが、受付業務の派遣社員の方がそんな対応できるわけがない。「システムの責任者を出せ!」などと叫いたとしても、おそらくは「システム更新の管轄はGoogleさんなので、わたくしどもにはとんとわかりませぬ」という返事が返ってくるだけだ。
怒りの矛先が私に向かってこないうちになんとかする必要性が生じ、「仕方ない。設定をいじって何とか地図を表示させないとな...」ということになり、先ほどかちゃかちゃいじってみたのである。とはいえ、Google built-inの地図は、カーナビとしては「本当に使えない」代物である。見栄えはいいのだが、運転中にその表示を示されても、運転経路をアシストするという観点から見ると、まったくの役立たずなのである!そもそも、細い道の幾何がまったく読み取れない!(下の図)

CIVICは「空飛ぶ車」じゃないんだから、こんな3D表示を見せられても、芝公園や大門周辺をこれで迷わずに走るのは無理である!(ホンダ君、君はこんなんで野田岩のうなぎを食べに行けるのか?、あるいはブルースリーを増上寺まで連れて行けるのか?、是非考えてほしい笑)

おそらく同じような苦しみに困っておられる方も多いだろう、と感じたので、アップデートにまつわる「Honda Connect/Google built-inのカーナビブラックアウト問題」の解決法を以下に報告したいと思う(笑)。
所有者の同意なく勝手にアップデートしてしまうHonda ConnectのOS
このシステムのOSはGoogle Built-inというらしいが、その日本語の翻訳が「Google搭載」という固有名詞っぽくない固有名詞となっていて紛らわしいので注意が必要だ(笑)。それはさておき、このOSは、何らかの通信手段を通じてHondaあるいはGoogleのサーバーと(私の許可なく)常時接続しているらしく、時折アップデートを勝手にやるは知っていた。
これまでのアップデートでは特に問題がなかったので、「まあよしとするか」程度だったのだが、先週行われたアップデート(所有者の許可なく勝手にやったやつ!)には大きな不満を感じた。上述のカーナビ表示のブラックアウトである!しかも、システムリセットによるオフラインマップデータの消失がその元凶と知ると、怒りのボルテージは最高潮に達した。画面に現れるエラーメッセージに「オフラインのマップデータが存在しません」と表示されたのだ。つまり、「何時間かけてダウンロードしたと思ってるんだ!勝手に消すな!」と怒り心頭なのである。
ホンダのHPを見ると、次の「お知らせ」が載っていた。
「随分前の記事だな」と最初思ったのだが、よく読むと、実はこのアップデートはWiFi回線を使ってのみ可能だということであった。私のCivicは普段WiFi回線でネットにはつながっていない(だからオフラインマップデータをダウンロードしてあるわけなんだが)。したがって、いくら「勝手にアップデート」といっても、WiFiがなければできないはずで、この「お知らせ」の内容と今回のブラックアウト問題は無関係のようだ。おそらくこれは(勝手なアップデートではなく)ディーラーが手作業でやってくれるサービスなんだろうと思う(私のディーラーからは連絡が全く来てないが)。
しかも私のシステムに不具合が出たのは6月ではなく、今月(つまり9月)だ。よって、この通知にあるアップデートとは無関係っぽい。想像するに、WiFiでのアップデートをサボっている消費者に「強制的な部分アップデート」をかけたのではないかと思うのだ。こういうのはたいていがHonda Connectに非加入の人たちが中心のはずだから、最新のアップデートで「もてなす」のではなく、(文句が出ない程度に)必要最低限のアップデートに絞っているのではないか、と思ったのである。さらに、いろいろと嫌がらせをかけて、最終的には「やっぱりHonda Connectに加入しますよ」というふうに仕向けたいのではないか、と感じた次第である。実際、「地図が映らないより、Honda Connectの利用料を払ってサービスを享受した方がいい」という声も我が家には響いたのであった(笑)。
しかし、今回のアップデートでは、googleが走行履歴のデータを存分に盗ませていただきます、という契約文書が表示された。ついに堂々と個人情報を取りに来たのかと、これも怒であった。不便だからといって、それに負けてはならない。負け戦の日本人のようであるが「貧しきに耐えてこそ清い精神」である(笑)。
Google built-in OSの詳細
今回初めて、システムの詳細というものを調べてみた。車は運転してなんぼ、のものなので、じっくりとディスプレイの設定画面をいじってみたことがなかったのだ。したがって、今回の「ブラックアウト問題」を契機に色々と学ぶことができたので、それはそれで収穫であった。
まず、以前からHONDA Connectがどうやって通信を外部とやりとりしているのか、という疑問が(ほぼ)解決した点である。まずはOSの設定に表示された情報をご覧いただきたい。

車のシステムに接続されている通信回線のリストである。私の場合4つの項目があり、上の二つがiPadへの接続状態についての情報となっている。2つ目はBluetooth接続が確立しているかであり、現在確立していることがわかる。その下の「USBドライブが接続中」というのは、mp3ファイルを書き込んだSDカードをType-Cスロットに差し込んでいる、という意味である。カーステレオで聞いている音楽のソースである。
写真に写るリストの一番下にある「車載通信機」というのがかなり怪しい(データのアップデートや交通情報を勝手にやりとりしているという意味で)。これはおそらくETCのことであるが、もしかするとHonda connectで利用されるSoftBankの5G/4G回線も含まれているのかもしれない。
最後に一番上の情報が「Bluetooth接続したiPadがWiFi回線とつながっているかどうか」を示すもので、現在その強度は(アイコンをみると)ほぼゼロ状態である。つまりWiFiとは断線状態である。これは当然で、私がiPadの「テザリング」を切っているからである。テザリングというのは、iPadが接続しているWiFi回線を、Civicの車内LANにフォワードするサービス/システムのことである。私はこの車を購入した時、ディーラーからこの「テザリング」によるネット接続を勧められた。しかし、自前のWiMAXを車に直接接続することが可能であることが後でわかり、それをやることでオフラインマップのデータを折に応じてダウンロードできるようになったのである。要するに(WiMAXを持っている人の場合)テザリングは「不要」であるが、HONDAとしてはiPadを経由した「テザリング」でネットに接続してほしい、と考えているようである。おそらく6月のOSアップデートのデータも、ディーラーはテザリングによって実行するはずである。
ということで、「勝手なアップデート」は「車載通信機」がもつ何らかの機能を使って実施されていることが推察される。もし、ETCだけだとすると、私の自宅は高速道路から遠く離れているので、勝手なアップデートは不可能のはずである。にもかかわらず「勝手なアップデート」がなされてしまったということは、車載通信機には4G/5Gの電話回線への接続機能があるということになる。そもそもHONDA Connectをサブスクライブすれば、この機能を(有料で)利用するわけだから、無料データの送信条件をHondaあるいはGoogleの方で勝手に設定できるとすれば、電話回線を彼らの必要に応じて(勝手に)開き、私の車に、無断で、かつ私に求められていないデータを押し付けてくることが可能なのであろう。
別の画面に映ったシステム情報も見てみよう。

上から2つ目にAndroidと出ているのが特徴出来だろう。言わずと知れたGoogleのスマートフォンで利用されているOSである。バージョンは12とあり、今年の6月に発表されたアップデートで導入されたバージョン14より古い数字となっている。WiFiに繋いでないし、私がOSのアップデートを積極的に考えていないので当然といえば当然であるが、今回の強制アップロードでは、OSのバージョンアップは実施されない、という私の予想は当たっていたことになる。かなりマイナー、しかしバグに近いエッセンシャルなバグフィックスだけが強制的に行われたと思われる。そして、さらにHonda Connectに加入したくなるような「嫌がらせ」設定に変更したというのも(高い確率で)あり得ると思われる。
一番上にModel Number: IVI-systemとあるが、調べてみるとこれはAndroid Automobile OS (AAOS)に含まれる機能で、In-Vehicle Infotainmentというシステムだという。つまり、Google built-inによるOSの正式名称はAAOSだということである。写真に写るリストの下段2つは、AAOSのカーネル番号やビルトナンバーなどであり、OS自体の根幹部分の情報と思われる。
これだけの状況証拠を知れば、(Honda Connect未加入者には本来提供されないはずの)渋滞交通情報が最近表示されるようになったり、ダウンロードしてない地域のマップデータが利用できるようになって、「へんだな」と感じていたのが、Google/Hondaの勝手な設定変更と勝手な遠隔操作による、「システム設定の変更」によるものであると説明できる。しかも、その通信回線は(以前予想していたVICSのFM電波ではなく)SoftBankの4G/5G回線である可能性が高まってきた!
ブラックアウトからの復旧方法
寄り道が過ぎた。本題に戻ろう。勝手なアップデートにより、カーナビがブラックアウトした状態からの復旧方法である。問題の原因がわかれば、笑ってしまうような内容であるが、わからない段階では、地図が映らないと相当なストレスがかかる(人が多いはず)。
原因はnoteにて記述することにした(AIに盗まれると嫌な気分がする...)。私がこの車を買った際に、「オフラインマップデータをダウンロードして利用する」と決意したが、有効期限が1年あるので、1年に1度だけ数時間かけてダウンロードすればいいのだ。そのときは確かに面倒だが、無料だし、この頻度ならなんとか耐えられるだろう。そもそも、ダウンロード中にどこかにドライブに行って仕舞えばいいのだ。東京から出発すれば、箱根や那須高原に着く頃にはダウンロードは終わっているだろう。
ということで、問題が解決するまでの大雑把な手順を以下に示す。
- まずは起動直後である。

この後、オーナーにログインする。しかし、私はこの「オーナー」アカウントにGoogleアカウントを紐づけてはいない。googleアカウントにログインせずに、オーナーボタンをただ選ぶだけである。多分、車体番号などのIDが車載通信機からSoftBankの回線に送信され、購入者が特定され、結局はGPSに基づく(わたしの)ドライブ情報がgoogleやhonda, softbankなどに提供されてしまうのであろう。Googleアカウントを紐づけておけば、OSにさまざまなアプリがダウンロードできるらしいし、youtubeなども閲覧できるかもしれないが、車内でそれをやる意味はないだろう(笑)。車はドライブしてなんぼ、なので、わざわざ集中力がなくなるようなシステムは不要である(というよりも命に関わる危険性がある)。そして、なにより、ドライブ情報という個人情報が大手IT企業に搾取されてしまうのだ。
それよりなにより、車を運転する際に、エンジン起動後、わざわざタッチスクリーンでパスワードを打つという面倒な作業をやりたいと思うだろうか?Googleアカウントへの登録はディーラーに強く勧められたが、無視していいだろう(笑)。

- Home画面に移動する。

上の写真に写っている「本体設定」などに「ブラックアウト問題」を解決できるセクションが含まれている。詳細はnoteに記述したのでそちらを参照してほしい。問題が解決した後に気がついた、なかなか面白い点について下で説明する。
- オフラインマップをダウンロードする
問題が解決すると、オフラインマップをダウンロードできる状態へと復活する。これで一安心だ。ただ、「勝手なアップロード」がもたらした驚きの改善点が一つある。それは、デフォルトでソフトバンクの5G回線が利用できるように(たぶん)なっており、WiMAX無しでも地図データが高速でダウンロードできるのだ。つまり、Honda Connectに加入していなくても、自前でWiMAXを持ち込んでWiFi接続しなくても、ソフトバンクの5G回線を無料で使わせてもらえるのである!もちろん、なんでも許されたわけではなく、オフラインマップデータのダウンロードだけが許可されたのである。
実際に試してみたが、出先の港区や目黒区、品川区などであれば、街中を走行しながらでも、それぞれ30秒ほどでマップデータのダウンロードが完了し、いままで何時間もかけてダウンロードした苦しみが嘘のようであった!
実は厳密にいうと5G回線の無料使用が許可されたのはオフロードマップデータだけでなく、もう一つあるのだ。
- 渋滞交通情報のリアルタイム情報
前から少しずつ使えるようにはなっていたが、今回のアップデートで確実になったのが、渋滞情報のリアルタイムデータの利用である。これもおそらくソフトバンクの5G回線を経由してもたらされる情報だと思われる。Honda Connectに参加していなくても、勝手に情報をプッシュしてくれる。ただ、VICSに基づくものではないので精度や正確性は低い。Android端末の位置情報をGoogleが掻き集め、分析した結果がもたらされる(つまりGoogle Mapと同じクオリティの渋滞情報).....言い換えれば、渋滞情報の精度はあまりよくないのものと覚悟して使わねばならないだろう。とはいえ、カーナビ画面がブラックアウトしたままの状態や、変化のない「静的なデジタル地図」に比べれば、多少はマシな「ダイナミック地図」である。利用価値はそれなりにあるだろう。
まとめ
こうして「勝手なアップデート」のせいで「多少の」嫌がらせ的な変更がなされたものの、その問題を解決しさえすれば、なかなか便利な機能が付け加わったのであった。もちろん、飛行機のパイロット向けじゃないのか、と誤解してしまいそうな「見事な3D表示」は実戦で使えないのは言うまでもないが(笑)、ちょっとだけ良い方向に向けての進化は確認できたのである.....でもこれって、まさに現在のHondaのF1での状態のようではなかろうか?私はアロンゾの苦しみの意味がちょっとわかったような気がしたのである(笑)。
「HONDAのビジネスのやり方には本当にイラつく!」
(たぶんアロンゾの心打ち:私の場合VTECが動くのでエンジン部分には不満がないが、アロンゾはeHEVも使っているようなものだから、そのストレスはものすごいものであろう。)
