複天一流:どんな手を使ってでも問題解決を図るブログ

宮本武蔵の五輪書の教えに従い、どんな手を使ってでも問題解決を図るブログです(特に、科学、数学、工学の問題についてですが)

東大入試 数学

東大数学2024問題6 (part 12):数値計算に飽きてきたので解析的分析を少々

前回のあらすじ ケース3の場合 共に偶数の場合 共に奇数の場合 前回のあらすじ ここしばらく数値計算ばかりやってきたので少々飽きてきた感じがある。そこで受験のときにやるような解析的な分析を久しぶりに少々やってみることにする。 今回もケース3、ケー…

東大数学2024問題6 (part 11):細かい場合分の作業に突入....

前回のあらすじ (a)の場合とは? ケース1の場合 ケース2の場合 ケース1とケース2が同時に成立すること (c)の場合 紫色の領域 黄色の領域 前回のあらすじ $g(x) = xk(x), k(x)=x^2+ax+b$が与えられており、$x\rightarrow n\in\mathbb{Z}$の場合に($\mathbb{Z}…

東大数学2024問題6 (part 10):ケース3とケース4が同時に成立して4つの整数解が見つかる場合

前回のあらすじ ケース4の状況 考察すべき、残りの状況 前回のあらすじ 前回は、ケース3.の場合について詳しくみてみた。(a,b)=(-5,7)が候補となったが、$f(2)=2, f(3)=3$だけが題意を満たす場合であることがわかり、4つの素数を見つけるどころか、3つの素…

東大数学2024問題6 (part 9):gnuplotで見つけた格子点の確認

前回のあらすじ 判別式を計算してみる 素数の解は4つあるだろうか? 前回のあらすじ 東大入試問題の数学2024問題6の後半にとりかかった。まずは二次方程式の解が2つとも正となる条件について調べることにした。条件を満たす領域がわかり、数値的にいくつかの…

東大数学2024問題6 (part 8): gnuplotで条件に合致する領域を塗ってみる

前回のあらすじ 後半部分 最初のケース gnuplotの出番 2つの関数グラフに挟み込間れた部分だけを塗る ちょっとだけ数学の問題に戻ってみる 前回のあらすじ しばらく前になるが、問題6の前半部分を解析的、および数値的に解いた。後半部分は、前半部分の応用…

東大数学2024問題6 (part 7): 数値的に問題6を解く

前回のあらすじ コードを分ける 前回のあらすじ 前回までに、素数のデータベースの取り込み、エラトステネスの篩を使った素数生成、両者の比較検証、などが済み、いよいよ問題に直接チャレンジできるところまできた。今回でけりを付ける。 コードを分ける エ…

東大数学2024問題6 (part 6): データベースとの比較

前回のあらすじ The PrimePagesのデータベースとの比較 計算結果 前回のあらすじ エラトステネスの篩のコードが書き終わった。最初の30個の素数(2,3,....,113)は正確に計算することができたが、果たしてたまたまなのか、それともちゃんと機能しているのか、…

東大数学2024問題6 (part 5): エラトステネスの篩のコーディング

前回のあらすじ A code for the Sieve of Eratosthenes Test run 前回のあらすじ ちょっと前のブログ記事の最後に英語を使って「付録」を書いてみたら、海外からのアクセスが来るようになって意外に感じている。東大の入試問題が世界からも注目されているの…

東大数学2024問題6 (part 4): ポインタを使って整数表現を調べる

前回のあらすじ C言語におけるポインタの利用 Fortran95における「ポインタ」の利用 Pythonの場合 前回のあらすじ 素数を生成する「エラトステネスの篩」アルゴリズムに従って、自分でコードを書いてみようと思ったわけだが、どの程度まで大きな整数が数値的…

東大数学2024問題6 (part 3): エラトステネスの篩(ふるい)と数値計算で扱える最大の整数

前回のあらすじ エラトステネスの篩 pythonによる実装 Fortran95で整数の最大値を確かめる デフォルトのinteger :: r, sumの場合 integer*4 の場合 integer*8の場合 integer*16にトライ! pythonではどうなのか? エラトステネスの篩のコードまでいけなかっ…

東大数学2024問題6 (part 2): 素数のデータファイルを読み込む

前回のあらすじ 二次元の配列に似たもの コードを書く 前回のあらすじ 前回の記事では、東大2024数学入試問題6を解き始めた。この問題では素数を扱うため、素数データベースを利用して問題探究を数値的に行うことにした。pythonでデータファイルを読み込む方…

東大数学2024問題6: 素数と因数分解

「今年最難」と噂の問題6へ 問題の概略 複天一流の流儀で解く 素数のデータベース 最初のコード 「今年最難」と噂の問題6へ ネットでの評価をざっと見た感じでは、本年度の東大入試問題においては問題6が「一番難しかった」との評価のようである。問題1もそ…

東大数学2024問題1(part 4): 境界の方程式を数値的に求める

前回のあらすじ 境界曲線の特徴 2次のテイラー展開の数値計算 楕円の方程式とテイラー展開の関係 シミュレーションの結果を心眼でみる まとめ 前回のあらすじ 前回では「スクラッチカードシミュレーション」の結果を分析し、条件を満たす領域の境界を抜き出…

東大数学2024問題1(part 3): 境界を抽出する

前回のあらすじ 境界を抜き出す データの読み込み 動径と角度でグループ化されたデータ構造を利用して境界を抽出する 境界を抽出する 前回のあらすじ 前回の記事では、2つの不等式を満たす$(x,y)$をしミューレションによって数値的に見つけ出し、その結果を…

東大数学2024問題1(part 2): pythonによる「スクラッチカードシミュレーション」

前回のあらすじ 最初の不等式が意味すること(part 1) 二つ目の不等式が意味すること デカルト座標か極座標か?(最初の不等式が意味すること:part 2) 動径$r$の範囲の目処 pythonのコード 付録(ちょっとした改良) 前回のあらすじ 2024年の東京大学の入試…

東京大学入試問題(数学)2024に取り掛かり始める

2024年の試験問題を解き始めよう 問題1:3次元空間の問題? 2つの3次元ベクトルの角度の範囲 問題1の条件を拡張する 付録 2024年の試験問題を解き始めよう 東京大学の二次試験が終了し、そろそろ合格発表ではないだろうか?まだ東大のHPでは公開されて…

東京大学2023数学[3] part-11: svgを動かす

前回のあらすじ まずはsvgで問題文に設定された円と放物線を表示 スライダーとパラメータ表示窓の作成 前回のあらすじ hatena blogに、javascript, html/css, そしてsvgを組み込む練習をしてきた。その試みも、今回がいよいよ最終回である。これで、問題文が…

東京大学2023数学[3] part-8: svgで放物線を描く(pythonで)

前回のあらすじ pythonで自動生成プログラムを書く pythonにおける文字列の連結 座標軸と円を置く いよいよ放物線 前回のあらすじ SVGを使って図形を描く試みは「放物線もどき」のところまで進んだが、「手描き」では限界があることを確認。より滑らか放物線…

東京大学2023数学[3] part-7: svgで放物線を描く(でも手描きで)

前回のあらすじ pathで放物線もどきを「手で」描く 前回のあらすじ hatenablogに関数グラフをSVGで描く試みを始めた。座標軸を表す直線や囲みに対応させた四角形、そして円などは、SVGに最初から組み込まれ準備されている図形であり、文法通りにコマンドを書…

東京大学2023数学[3] part-6: svgで問題の中の図形を描く

前回のあらすじ 完成図 svgの決まり文句 枠を描く 座標軸を描く 最後に円 放物線は難しい 前回のあらすじ 東大の数学入試問題2023[3]の小問(1)の答えを得るべく、「シミュレーションもどき」を駆使して分析してきた。その結果、$a>5/4$という解の予想が手に…

東京大学2023数学[3] part-5: 解析的な解答

前回のあらすじ 4次方程式を分析するアプローチ 三角関数でパラメトライズする方法 前回のあらすじ シミュレーションの手法を用いて、円Cと放物線Bの方程式を連立させて得た4次方程式の性質を分析した。その結果$a>1.25$が答えらしいところまでたどり着いた…

東京大学2023数学[3] part-4: 4次方程式のグラフの描画

前回のあらすじ 解くべき4次方程式 pythonによるグラフのプロット pyplotを使う シミュレーションを始める シミュレーションで分析する 最後のトドメ 前回のあらすじ この問題では放物線Bと円Cの「上下関係」を分析するように求められているが、2つの二次曲…

東京大学2023数学[3] part-3: gnuplotで図を量産する方法

前回のあらすじ シミュレーションのまとめ (1-a) 円が放物線の上に来る場合(C>B) (1-b) 円が放物線の下に来る場合 (C<B) (2-a) 円Cと放物線Cが一点で接する場合 (2-b) 2点で交差する場合 (2-c) 3点で「交差」する場合 (2-d)4点で交差する場合 gnuplotで…

東京大学2023数学[3] part-2: gnuplotによるスケッチ

前回のあらすじ gnuplotで描く問題設定のグラフ 問題の吟味 シミュレーションと数値計算の違い 連立方程式 前回のあらすじ 東京大学2023数学[3]の問題に取り掛かることにした。2次曲線(円錐曲線)の交点について調べる問題であるが、その図形をブラウザ上(…

東京大学2023数学[3] : svgを使った図形描画

久しぶりの新しい問題 svgとはなにか? おまけ(というか練習) 久しぶりの新しい問題 大問2(1)がようやく片付いたので、久しぶりに新しい問題に取り組むことにしよう。 東京大学2023数学 第3問 「代数幾何」という分類になるのであろうか?それとも「…

東京大学2023数学[2]-(1) part6: 「最後の詰め」の正体

前回のあらすじ 「最後の詰め」の正体 パターンBの最大値の確認 最後の確認 前回のあらすじ 「赤玉が隣り合う」という余事象を探し続けて三千里。ようやく旅の終わりが見えてきたと思ったのだが、最後の段階で、「あとほんのわずか数え落としがある」らしい…

東京大学2023数学[2]-(1) part5: 最後の詰めを誤る

前回のあらすじ パターンA, B, Cの定義の復習 集合と確率の関係 パターンC(事象C)の確率の一般項 $p_C$の確率の算出 前回のあらすじ 赤玉4つ、黒玉3つ、白玉5つが入った袋から一つずつ取り出し、一列に並べてカラーシーケンス(色列)●●●●●●●●●●●●を作…

東京大学2023数学[2]-(1) part4: やっと本題へ

前回のあらすじ grepで一発! bcを使った計算 循環小数の分数化 補事象A,Bの「充填具合」 前回のあらすじ 赤玉が隣合わない確率を求めるために、その補事象「隣り合う確率」を延々と計算してきた。解析的な考察や数値計算を行い、それなりに正しそうな結果を…

東京大学2023数学[2]-(1) part3: event-Bの数値計算

前回のあらすじ その前に計算の高速化の試み event-Bの判定プログラム 前回のあらすじ 東京大学2023年の数学入試問題で出題された確率の問題を「ありとあらゆる手段」で理解してしまおうという試みを、ここしばらく行なっている。 問題の概要を再確認してお…

東京大学2023数学[2]-(1) part2: 赤玉の問題を補事象の観点から考えてみる

前回のあらすじ 予想 事象A (連続する2つの赤玉が最初の赤玉の場合) 事象B(連続する赤玉の前に1度だけ赤玉が出ている場合) 事象AとBの合計 event Aの数値計算 前回のあらすじ 赤玉4つ、黒玉3つ、白玉5つの合計12個の玉が入った袋から、一つずつ玉を…